恋の成就は浅草の縁結びスポットで!

■謎の多い久米平内
 久米平内(くめのへいない)をまつる平内堂は、浅草の縁結びの神様として知られています。仲見世通りの突き当たり、宝蔵門を入って右側の手前にある平内堂には、今日でも縁結びを願う若い人が参拝する姿が見られます。この平内堂は江戸時代に建立され、昭和20年の空襲で焼失したものを、昭和54年に再建したもので、中には小さな石像がまつられています。この石像が平内様です。
 久米平内は講談で語られるなどフィクションも重なって、実際の人物については謎が多く残されています。例えば、座禅を組んでいる自分の像を平内自身が彫らせたという説。これは、平内が首切り役人とか、刀の試し切りや辻斬りをした浪人だったとかで、死んでから少しでも罪が軽くなるように「大勢の人に踏みつけてほしい」と願ったと言うもの。また、平内が教えていた「仁王座禅の法」の看板がわりのものだったという説もあり、今でいう体操教室かフィットネスクラブの先生であった平内が、生徒募集のためのユニークな看板と作ったと言ったところでしょうか。
 平内の石像がお堂の中に収まって「平内堂」となったのは、実在の平内が亡くなった後のことです。


■縁結びの神様として江戸の男女に人気
 なぜ、首切り役人の像が、縁結びの神様として愛されるようになったのでしょう。それは、「大勢の人に踏みつけてほしい」と平内が願って作らせたことから、「踏みつけ」が「文付け(ラブレター)」に転化し、洒落た語呂合わせになっているからなのです。私の想いがあの人に通じますように・・という江戸の人たちの洒落っ気に、つい、にんまりしてしまいます。他にも柿本人麻呂の神社は「人丸神社」と呼ばれ、「ひとまる」から「火止まる」となって、防火の神様になったりしています。
 結ばれる人のことを想って願をかけるのもよし。想いを通じた2人の幸せが続くことを願うのもよし、浅草に来た時には、平内様にお参りしてみてはいかが。


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